ザ・リーダーシップ・サークル 導入事例

 

 
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ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

今の時代に求められる

リーダーのマインドセット




【企業概要】

  • 世界100カ国以上でビジネスを展開、従業員は97,000人以上

  • 体外診断用医薬品・医薬品とも売り上げは世界でNo.1

  • 新しいアイデアを受け入れるオープンマインドな社風

  • ロシュ・ダイアグノスティックス㈱の新卒入社と中途入社の割合はおよそ4:6

  • ロシュの風土・特色を理解した生え抜き社員と、他社での経験を活かして新しい視点・アイデアを提案できる中途社員をバランスよく兼ね備えた組織


【LCPに出会ったきっかけ】

スイスに本社を置くロシュグループの診断薬事業部門の日本法人である「ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社」。同社がリーダーシップ・サークル・プロファイル(以下:LCP)に出会ったのは2012年、社長交代の時期でした。これから新しい経営陣でどうビジネスを展開していくか、チームとしてどのようにリーダーシップを発揮していくかを決める過程で、新社長のエグゼクティブコーチングと新経営陣のチームコーチングを実施。その中でLCPに出会いました。現在ではロシュグループ全体で使用されているLCPですが、日本が先駆けでした。

【チームの中で起こった変化】

日本の経営陣は初めてLCPを受けた時、それぞれが「自分から見えている自分」と「他人から見えている自分」の違いに気づきました。その結果についてコーチと1対1でデブリーフを実施し、なぜ自分がこういう行動をしているのか、その背景にはどんな想いがあるのか、自分自身と向き合うことで自己理解を深めました。

社長が自身のLCPの結果を他の経営陣に開示したことをきっかけに、チームコーチングへの参加者一人ひとりが自己開示する準備ができた状態で、経営陣全体のワークショップに臨むことになりました。そこで、全員が結果を共有し、各人のリーダーシップスタイルや担っている役割、根底にある想いを「見える化」しました。

同社の取締役であり、人事・総務部門の部門長でもある髙﨑洋一さんは、「経営陣の中には人間関係を重視している人もいれば、戦略に強い人もいて、チームとして多様性があり、バランスが取れていることが可視化できました」と語っています。
それを機に経営陣は、それぞれの持ち味を生かし、リーダーシップの制限につながる「リアクティブ」な状態からリーダーシップの発揮につながる「クリエイティブ」な状態へ、意識的に変わろうとする姿勢が見られました。


【チームの雰囲気を変えたLCP】

これまで人事としていろいろなリーダーシップの研修を受けてきたという髙﨑さん。しかし、LCPは他のものとは全く違いました。
「お互いに心の中で思っていることをチームで共有したくても、いつもはなかなかできませんでしたが、LCPは思っていることをチームメンバーで共有するきっかけを与えてくれました」
LCPによってオープンに話し合える雰囲気を醸成でき、相手をより深く知ることができたことは、経営陣にとって大きな収穫でした。


【時代の流れと共に人事制度を変更】

ここ2~3年、アジャイル型組織やリーン型組織への変容が求められる中で、ロシュグループ全体でLCPを活用しようという動きが広がっています。ロシュグループのリーダーたちがLCPを体験して価値のあるものだと実感し、グループ全体の経営クラスの管理職からその適用が広がっています。時代の流れと共に日本でもビジネスや組織の変容(Transformation)が求められる中、ロシュ・ダイアグノスティックスでもこの数年間で人事制度を大きく変えました。その中には、1年スパンで目標を数値で細かく管理する目標管理制度の廃止や評価の簡素化、処遇の決定権限の現場のリーダーへの移譲などが含まれます。また組織内の異動に社員の側からアプローチできる社内公募の活用も進んでいます。

その背景には、①ビジネス環境の変化の加速度化に1年間をスパンとした目標では対応できない、②メンバーが上司に求めている、「自分の想いと会社の目指している方向性が一致しているのか」という質問に的確に応えられるコミュニケーションが人財マネジメントの中で最重要課題となってきた――という実情があります。同社では、実を伴わず形だけ客観的にみえる評価制度を実施するために膨大な時間を費やすことは止めました。

現在では、What(何ができたか)、How(どうやってやったか)、Impact(それは、お客様、患者様、社内の関係者にどのような影響が与えるものだったか)という3つの視点から上司の期待とメンバーの想いを話し合うことが評価のコミュニケーションの中心に置かれています。


【今の時代に求められるリーダー像】

このコミュニケーションの中で課題となるのが、上司が自分の判断した評価結果を部下に理解してもらえるコミュニケーションができるかどうかです。LCPで言うと、いかにリーダーが「クリエイティブ」と呼ばれるマインドを持ちながら、コーチングスキルを駆使して、部下とコミュニケーションを図れるか――ということが重要になってきています。

VUCA時代のビジネス環境で企業が発展を続けていくためには、以前のように階段を1つ1つ積み上げれば目標に到達するという「予定調和」のビジネスモデルは姿を消し、組織が常に環境の変化に敏感で、しかもその変化を感じれば組織の最前線にいる人財が自ら判断して行動を起こせることが不可欠となります。このような「自走できるVUCA人財」を組織の中に揃え、リードできるのは、クリエイティブなマインドセットを持ち、コークリエイティブなコミュニケーションができるリーダーです。だからこそ、LCPとコーチングスキルの重要性は高まっています。


【ロシュが考える今後の展開】

LCPは、自分自身のリーダーシップスタイルに気づく機会を与えてくれる非常に良いツールです。「まずは、経営陣の1つ下のミドルマネジメント層にも受けてもらいたいと考えています。経営陣の中からは、定期的に健康診断をするように、もう一度LCPを受けたいという声も出ています」と髙﨑さん。

アジャイルなビジネス環境の中では、経営陣自身がいつでも変われる準備ができていなければ、企業の発展は望めません。自分の内面を知ろうと努力し、自分自身も変わっていこうとする姿をメンバーに見せることのできるリーダーは「VUCA人財」にとって信頼ができる存在と言えるでしょう。


リーダーシップ サークル プロファイル(LCP)について

ザ・リーダーシップ・サークル ジャパン ウェブサイト
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